現代の日本は「ストレス社会」とも呼ばれているほどストレスが身近。そんな中で生活している私たちの中には、精神的な疲労を感じている方も少なくありません。このストレスが原因となって、肌荒れに悩んでいる方も多くなっています。女性にとっては避けたいものですよね。美容の大敵・肌荒れを改善するには、まずは原因をしっかり探って適切に対処することが大切です。そこで、ストレスが与える肌荒れの原因やメカニズムと一緒に、効果的な対策も紹介していきます。
目次〜この記事に書かれていること〜
ストレスによる肌荒れの経験がある人は約7割
年齢や性別を限定せず「ストレスを感じた事はあるか」というアンケートをとった結果があります。その結果、「ある」「まあある」と回答した方の割合はなんと約70%。
ほとんどの人はストレスを感じていると言える結果となりました。また、女性を対象として「ストレスを感じた時に肌荒れした事があるか」を調査したアンケートでは半数以上の方が「ある」と回答しているので、ストレスと肌荒れは関係している可能性が高いといえます。
ストレスを感じたシチュエーション
ストレスで肌荒れを感じた事のある方が、どんな時に肌荒れを感じたのか調査してみたところ、以下のようなシチュエーションがありました。
仕事の忙しさ
まず1つ目は仕事の忙しさ。残業が続いたり帰宅時間が遅かったりすると、どうしても疲れが抜けにくくなってしまいますよね。食事も外食に頼りがちになってしまいますので、栄養のバランスも偏り、肌荒れが起こりやすくなります。また、多忙で疲れがたまりすぎると質の良い睡眠が取れなくなるので、こうしたことも要因となってしまいます。
環境の変化
普段と異なる環境に置かれた時にも、ストレスを感じやすくなります。就職して間もない頃に肌荒れが起こったという方も多いと思います。普段と違う環境に慣れるまでの期間は肌荒れに要注意と言えますね。引っ越しや就職、転勤などのタイミングで起こりやすいものなので、環境が変わる時には気を付けておきたいところです。
人間関係
人間関係がもたらすストレスも意外と身近。友達関係や職場での人間関係、近所づきあいなど、普段からたくさんの人と関わっているので、どうしても避けられない部分ですよね。「職場がストレスとなって肌荒れを起こしたけれど、退職したらみるみる良くなった」という方も居ます。人間関係に悩んでいる時はストレスも感じやすいので、ダイレクトに肌に影響するのかもしれません。
ストレスによる肌荒れは脳の自己防衛反応
Twitterでもストレスで肌荒れに悩まされている人は本当に多いです。
めっちゃ急に肌荒れしてんやけど何!?!?!?ストレスかな!?!?
— hikari (@__O3hkr) 2017年11月22日
ほんと肌荒れやばい。
新しい職場になってストレスなのか?どんどん太って行く😂— れみちゃん (@remiremi_15840) 2017年11月23日
肌荒れひどい。かなり肌は強い方だけど。ストレス?
— EMILY (@te_to_te_e) 2017年11月12日
完全にストレスゼロの状態で生きていく事は不可能ですが、大きな原因は普段の生活の中でありがちなものばかり。
上の事例を見てみると、やはり環境の変化や精神的・肉体的な疲れが原因でストレスを感じ、肌荒れに繋がっているようです。そもそもストレスとは一体なんなのかと言うと、脳が自分を守るために働く防衛本能のこと。

悲しみや怒り、不安など精神的にダメージとなる要因があると発動されます。脳はダメージの要因を見つけるとストレスホルモンを分泌させ、血圧を上げたり筋肉への血流を増加させます。これは一種の興奮状態と同じで、強いダメージから身を守るために働いている防衛本能なのです。つまり、精神的なダメージが強いほどストレスホルモンの分泌が増え、より強力に防衛して守ろうとするわけですね。
ストレスで自律神経の働きが弱まりターンオーバーが乱れる

ストレスを感じると自律神経が乱れ始めるので、リンパの流れが悪くなります。リンパは肌に酸素や栄養を送る働きがあるのですが、この流れが悪くなると酸素も栄養分も低下します。すると肌に充分な栄養が行き渡らず、肌のターンオーバーが正常に行われなくなります。ターンオーバーは皮膚を生まれ変わらせる為に不可欠なものなので、これがうまく働かないと、潤いも低下して乾燥しやすくなってしまうのです。これらが原因となって肌にストレスが溜まると、皮脂の過剰分泌も引き起こされるのでニキビができやすい肌になる悪循環に。つまり、身体や精神が受けたストレスダメージは巡り巡って肌荒れに繋がるというわけです。
ストレスの原因は身近な行動に潜んでいる

環境の変化や仕事の忙しさなどはストレスの原因として良く耳にしますが、それ以外ではどんな原因が身近に潜んでいるのでしょう?自分の生活を振り返って、当てはまるものをチェックしてみてください。
スマホ・パソコンによる睡眠ストレス
「スマホやパソコンもストレスの肌荒れに関係がある」と言っても、ちょっと信じがたいですよね。ですが、これも肌荒れを引き起こす要因の1つです。人は睡眠時に優位になる「副交感神経」と、興奮した際に優位になる「交感神経」を持ち合わせているのですが、スマホやパソコンを寝る前に操作していると、副交感神経が優位にならず、スムーズな入眠ができません。交感神経と副交感神経のバランスが乱れてくるため、これがストレスの原因となります。
運動不足でホルモンバランスの乱れ・血流が悪くなる
運動不足ぎみの方も、ストレスを溜め込みやすくなるので注意が必要です。運動する事で体内の血流が良くなり、肌荒れを防ぐことができますが、現代日本人は運動不足であることも知られていますよね。また、ホルモンバランスが整っている状態というのはストレス知らずなのですが、運動不足になるとホルモンバランスも乱れ始めるので結果的にストレスを感じやすくなります。血流の悪化とホルモンバランスの乱れが、運動不足のストレス要因と言えるでしょう。
睡眠不足による副交感神経の乱れ
多忙や疲れの溜まり過ぎなどで質の良い睡眠がとれない事も、ストレスの大きな原因。睡眠は副交感神経が優位に立つ事でスムーズに行えますが、これが正常に行われないと質の良い睡眠はできません。眠りが浅かったり不安定だったりすると、自律神経のバランスが乱れるので体はストレスを感じ始めます。また、ぐっすり眠る事で肌荒れも引いてくるのですが、睡眠時間が遅くなる・寝る直前までスマホやパソコンを操作するなどの要因もあり、現代日本人にとっては解消したいストレス原因と言えます。
人間関係のトラブルによる不安やイライラ
人間関係の悩みも、もちろんストレスになりますよね。人づきあいがうまくいかないと精神的に負担となって不安やイライラが高まり、ストレスを感じやすくなります。ストレスで肌荒れを感じたと回答した女性の例でも取り上げましたが、人間関係のトラブルは肌にダイレクトに表れやすいものなので、職場や家庭内などの人間関係を円滑にしておくことも大切です。
姿勢の悪さによる血流の乱れがストレスに
長時間のデスクワークや立ち仕事などで姿勢が悪くなっている方も、ストレスを引き起こしやすいので要注意。猫背や、常に足を組んで座るなど自覚している場合は改善しやすいですが、知らず知らずのうちに姿勢に変な癖がついてしまっていると、自律神経を乱して血行を悪くします。血流が悪くなると肌荒れも引き起こしやすいですし、自律神経が乱れることでストレスにも。正座や足を組むなど、普段何気なくやっている癖がある場合は意識的に改善して血流を良くしましょう。
日常生活の中でストレスになる要因
例えば、食事の栄養バランスの偏り。コンビニ弁当や外食ばかりが中心になっていると栄養バランスが乱れるので、やはりストレスになりますよね。夏や冬など極端に厚さや寒さを感じている時も、身体的なストレスが発生します。また、虫歯など体のどこかに痛みがある場合、その痛みも肉体的ストレスとなるので、早めに治療しておくことが大切です。普段過ごしている環境の中で騒音や強い照明などにさらされている時もストレスになりやすいので、不安や緊張と言った精神的なストレス以外にも要因はたくさんあるのです。
ストレスによる肌荒れの症状はたくさんある

ストレスが肌荒れに深く関係しているのは分かってもらえたかと思います。でも、ストレスで引き起こされる肌荒れは人それぞれ。ストレスによる肌荒れにどういう症状があるのか、あなたにも当てはまるモノがないか確認してみてください。
肌の免疫力低下による「かゆみ」
ストレスを受けて自律神経が乱れると、体の免疫力も落ちやすくなります。もちろん肌の免疫力も低下するので、外部からの刺激を感じやすくなります。紫外線や乾燥、化粧品などの成分を敏感に感じ取ることで刺激となり、かゆみが起こる事も。なんだか顔かゆい…と感じている方は、肌ストレスによるものが原因かもしれません。
免疫力の低下は肌の「赤み」も生み出す
頬のあたりがつねに赤い状態である赤みは、かゆみと同じで肌の免疫力が低下したことで起こります。免疫力の低下した肌はアレルギー反応も起こしやすく、炎症も起こりやすいので、これが赤みを生み出します。
弱った肌は使い慣れた化粧品でも「湿疹」を起こす
湿疹も炎症を起こした状態と似ており、肌の免疫力が低下したことによる外部刺激によって発生します。普段は何でもなくても、弱った肌にとっては化粧品や基礎化粧品に含まれる成分が刺激になるので、いつも通りの生活でもこうした肌トラブルが起きやすくなるのです。
ホルモンバランスの乱れによる「乾燥」
ストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れてしまい、女性ホルモンに含まれるエストロゲンの分泌が減り、肌は乾燥しやすくなります。男性ホルモンの増加によって皮脂量が増えてニキビができやすいのに、肌は乾燥しているという悪循環を招き、さらには肌の潤いが減って弾力もなくなるという結果に繋がります。
皮脂の過剰分泌など炎症による「ブツブツニキビ」
肌に触れた時に引っかかるブツブツは、炎症によるニキビかもしれません。ターンオーバーが正常でない事や皮脂の過剰分泌、外部刺激による炎症をおこしやすい状態の肌には、清潔に気を使っていてもブツブツニキビは簡単に発生します。例えば衣類の繊維や髪の毛などが顔に触れるとそれが刺激となって雑菌が入り込み、ブツブツニキビが作られやすくなります。
バリア機能が落ちた肌は「かぶれ」てしまう
バリア機能が落ちた肌はちょっとのことで炎症を起こしやすいので、かぶれてしまうこともあります。普段よりも肌が過敏になっていることが要因で、これもストレスからくるホルモンバランスの乱れや免疫力の低下が原因です。
肌が刺激に過敏なときに起こる「ピリピリ」
皮膚が刺激に対して過敏になっている時に良くあるのが、ピリピリとした痛みを感じる症状。いつもの洗顔やスキンケアの時に痛みを感じやすく、石鹸や化粧品の成分ですら刺激になっている状態です。肌がダメージを受けている証拠で、免疫力の低下が原因で発生する事が多くなります。
その他ストレスによる肌荒れの症状
こうした症状のほかに、皮脂の過剰分泌による毛穴詰まり、乾燥による肌のごわつきなど、肌にとってマイナスな症状ばかりもたらすのがストレスによる肌荒れ。普段は肌トラブルがない方でも、ストレスを溜めた時には起こりやすい症状なので気を付けておきたいですね。
ストレスによる肌荒れの対策方法7つ

ストレスが原因での肌荒れは、どれも早く対策しておきたいものばかりですよね。ストレスで肌がボロボロになってしまうのは絶対に避けたい・・・!そんなあなたに肌荒れが起こった時に行うべき対策方法を7つ紹介します。自分にあった肌荒れの対策を実践してみてください。
肌荒れでニキビができたら無理に対処せず清潔を保つ
ストレスによる肌荒れで起こりやすいニキビですが、とにかく清潔にして完治を待つことが大切。ニキビができると気になって潰してしまうという方も多いのですが、これは絶対に避けましょう。気にして触れてしまうとそこから悪化させかねません。潰すと跡になってしまうので、まめな洗顔を心がけて清潔にし、触らないようにして完治させましょう。化粧水を使って保湿を心がけるのも大事ですね!
睡眠をしっかり取る事で免疫力アップし肌荒れを改善
ぐっすり眠る事も肌荒れ改善の基本です。眠っている間に体力が回復すれば免疫力もアップし、肌荒れの原因も緩和されます。ポイントは、日付が変わる前に眠る事。副交感神経が優位に働くと交感神経とのバランスがとれるようになり、乱れを解消できます。また、ぐっすりと眠る為に寝る前に入浴して体をリラックスさせたり、寝る前のスマホやパソコンをやめてみるのも効果的です。
半身浴のリラックス状態で睡眠の質を向上
半身浴はゆったりと体を暖め、リラックス状態に導いてくれる入浴方法です。38度くらいのお湯にみぞおちあたりまで浸かり、15〜20分入浴しましょう。上半身が冷えると感じたら、お湯に浸したタオルを肩にかけてください。寝る2時間前に済ませておくとスムーズに睡眠しやすくなりますよ。
症状が少し重い肌荒れには市販薬も検討
ストレスが強いと肌荒れの度合いも強くなる事がありますが、自己解決するのが難しそうなら市販薬に頼ってみるのもおすすめです。錠剤や塗り薬などいろんなタイプが出ているので、薬局やドラッグストアにいる薬剤師さんに相談して選んでみるといいでしょう。
重度な肌荒れの場合は皮膚科へ
肌トラブルには皮膚科を頼るのが確実です。市販薬では難しい症状にも対応できる薬を処方してくれるので、自分の肌の状態に合うもので対処できます。症状がひどいようなら皮膚科を受診して解決を図る事も大切です。
ストレスの要因を書き出して把握する
病院や薬に頼らずに治したい時は、ストレスとなっている要因を書き出して見直してみるのも有効。プライベートや職場で自分にとってストレスになっている原因を把握し、可能なものは改善していくのが最も効果的です。ストレスの原因を取り除けば肌荒れを解消するのは簡単ですが、難しい場合は緩和させる方法がないか探してみるのもおすすめです。
ストレスを減らすことこそ肌荒れ改善の近道
わかっていても人間関係や仕事のトラブルなど、なかなか切り離せないストレスもありますよね。そんな時はストレスの原因を取り除くのではなく、違うものでカバーできないか考えてみましょう。毎日の日課として散歩してみる・読書や映画に没頭する・趣味に打ち込むなど、ストレスを和らげる方法が見つかれば、精神的な負担も弱まりますよ。